5月30日、国山さんは著書『アタマがよくなる「対話力」』出版記念イベントに成田さんとともに登壇。キャリアとコミュニケーション力をテーマにトークを展開した(撮影/写真映像部・和仁貢介)

成田:ハセンさんが入社2年目の若手時代に周囲にもまれたのと同じように、僕も25歳で副社長になったことで必然的にもまれました。周囲がみんな年上という環境を生かしたというべきでしょうか。自分の能力はまだ大したことないけど、他の人は自分にない専門性を持っている可能性が高いんだから、それを収集して自分と合作すれば最強だ、みたいな。人に対して興味を持って、教えてもらう。そのスタンスで臨めるのは若さゆえの強みだし、今もニュートラルにその状態でいたい。相手の持っている情報を引き出して自分の身にしていくのはすごく大事で、それが「アタマがよくなる」ということだと思います。

国山:背伸びをしないことも大事ですよね。話す相手によっては専門用語が飛び交うこともあって付いていけないケースもあります。そこで強がると実りはないですが、私でもわかるように話してくださいと言うだけで成立する。

成田:わからないことはわからないと聞き直す。これはシンプルで、重要な対話力のテクニックですね。これが自然にできればインプットも自ずと増えていきます。

国山:私は極楽とんぼの加藤浩次さんに言われた、ある言葉がものすごく印象に残っていて大切な人生哲学になっています。それは「負けの美学を忘れるな」ということ。たとえばバラエティー番組では、一見チームプレーに見えて、出演者一人一人の言動が番組構成にうまくはまっていないということもあります。そうした時に自分があえて一歩引いてみたり道化役になってみたり、自分の弱さみたいなものをさらけ出すことで場をうまく回すという姿勢は学びになりましたね。

成田:意識的に“負ける”というのは面白い視点です。謙虚に吸収しようという姿勢につながりますし。ただ、その状況の文脈を瞬時に理解するというのが難しい。会話の瞬発力が問われますね。

(構成/編集部・秦正理)

AERA 2024年6月24日号より抜粋

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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