ヒトのアイスに興味津々の犬。愛犬用アイスが新たに登場した(写真はイメージ/gettyimages)
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 愛犬用アイス「ワンワン君」が6月17日、オンライン販売で登場した。発売元は「ガリガリ君」でおなじみの赤城乳業(埼玉県深谷市)。カップアイス6個入りで1セット3168円(税込み)だ。狙いはどこにあるのか。

【写真】犬用アイスの「ワンワン君」、ガリガリ君ともとっても仲良し

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ガリガリ君に愛犬用アイス 

 1981年の発売から43年、いまや「日本人の心のアイス」といっても過言ではないガリガリ君。そのファミリー商品に、愛犬用アイス「ワンワン君」が登場した。

 ガリガリ君といえば、廉価なアイスとしても知られ、「25年価格据え置き」の企業努力も話題になった。

だが、このワンワン君は1セット3168円、1個あたり528円、高級志向のアイスの代表格「ハーゲンダッツ」(ミニカップ)より100円以上も高い。3月出荷分から80円(税込み)に値上げしたガリガリ君の約6本分にあたる。

 赤城乳業の広報担当者はこう話す。

「製造基準や原材料の選定にこだわり、飼い主の皆さまに安心して購入していただける商品として(価格を)設定しました」

開発には「ワンちゃん」が協力

 ワンワン君は、「数多くのワンちゃん」の協力のもと開発され、ペット栄養管理士が監修した。人間が食べるアイスと同等の品質基準で選んだ原材料と、徹底した製造基準にもとづいて作ったという。

北海道ヤギミルク」味、「あまおういちご」味、「宮崎マンゴー」味、「バナナ豆乳」味といったネーミングからも、原材料へのこだわりがうかがえる。

 ただし、食べるのは犬だ。人間と同じ味付けというわけにはいかない。

「人用のアイスは、犬にとっては糖分が多すぎますし、添加物を心配する飼い主さんもいらっしゃいます。ワンワン君は人間用のアイスより甘さを控え、香料や着色料、乳化剤も不使用です」(前出の広報担当者)

 アイスメーカーが犬用アイスを手がける例は「私たちが知る限り、ほかにはありません」(同)。

アイスの新しいニーズとは

 赤城乳業は2003年に一度「ワンコのアイス」を開発したことがあるが、一時的な販売にとどまった。今回改めて開発に乗り出したのは、将来に向けて新しいアイスの需要をつくり出す狙いがあるという。

「『アイスを通じて日常をもっと豊かにもっと楽しく』という理念から、未来の新しいアイスの需要を創出すべく『アイスドリーム研究所』を設立しました。ワンワン君はそのプロジェクトの中で開発された第1弾の商品です」(同)

ワンワン君(右)はガリガリ君が飼い始めた新しい家族。仲睦まじい=赤城乳業提供
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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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