ランコムも生活費
ママ友と集まった家計管理下手を自認するDさんに、5月の1カ月間、この家計簿をつけてもらった。夫と財布は別のままだが、これまで負担していなかった光熱費や通信費なども、支出として組み込んだ。
少しでもお金を使ったら、生きるのに必要な生活費か、なくてもいい娯楽費かに分ける。余裕があれば、費目もメモすると、後でより分析しやすい。Dさんは、買い物直後にスマホのカレンダーのメモ機能で記録。その後、設定金額から日々、引いていった。
「絶対に日焼けしない」と信じているランコムの日焼け止めは7480円。自分にとっては欠かせないため今のところ生活費にしている。
一方で、なんとなく購入したコンビニのお菓子やカフェ代は娯楽費に。1カ月の娯楽費は5万7125円になった。
定額の支出と今月の生活費の合計から「いまの持ち家に住み続ければ、1年で400万円ほどで暮らせる感覚をつかんだ」とDさん。また、家計簿をつけてみて「想定以上の支出がショック」と言う。今後も記録は続け、平均的な収支を確認・分析するつもりだ。
「会社の財務諸表も家計簿ができれば読める」と安藤さん。さらに次のステップとして「将来的な蓄えのために、資産から自分や家族が最低1年間暮らせる支出を引いて、残った貯蓄は、新NISAなどに回せます。また勉強や資格など自分への投資も忘れずに。自分の人生のためにお金の知識を身につけお金に働いてもらいましょう」と提案する。また、数えきれないほどの家計簿の中身を見てきた家計簿のプロである婦人之友社の徳永光子さんは、こう付け加える。
「大切なのは収入の多い少ないではなく、お金を有効に使うこと。工夫して生活を楽しんでください」
(ライター・三宮千賀子)
※AERA 2024年6月24日号より抜粋