いつも目が据わっている

 2期目の選挙の前にはコロナ禍が始まって、飲食店での感染対策の指示や、企業への給付金支給などの対応で一気に評価を上げましたね。小池さん本人も、非常時でもまったく動じない落ち着きが漂っていました。いつも目が据わっているというか、一定の口調で滔々(とうとう)と話していて、妙な説得力がある。毎日のようにテレビで小池さんの会見が流れていたので、リーダーとしての姿が都民に刷り込まれていったように感じます。

 今回の都知事選には、ライバル候補として、蓮舫さんが出馬しますが、怒りをふくめ感情表現が豊かな蓮舫さんと、何を考えているのか分からない怖さと貫禄のある小池さんという、対照的な印象です。蓮舫さんの勢いややる気は感じるけど、まだ小池さんの否定しか打ち出しておらずビジョンが見えないので、今のところ小池さんのほうが少しポジティブな印象です。

 最近の都政は、都庁舎のプロジェクションマッピングだったりマッチングアプリ開発だったり、迷走気味の施策を次々打ち出していますよね。今まではコロナ禍や東京五輪など、大きな問題への対策に追われていたけど、ようやく小池さんも少し余裕が出てきて、こういう遊び心のある事業にチャレンジしはじめたのかなと。

 小池さんは運が強い方なので、小池都政はまだしばらく続きそうな気がしますね。と言うのも、私の周りの精神世界に詳しい方が、小池さんのことを「元祖ピラミッドパワー」って言っていて納得しました。エジプト留学時代、ピラミッドの頂上で着物を着てお茶をたてたそうで、小池さんが授かったピラミッドパワーの余韻はまだ残っているような気がします。

(聞き手・構成/AERA dot.編集部・大谷百合絵)

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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