親父にはいわゆる“女性スキャンダル”もありましたが、僕はそういう面も含めて親父が好きでした。親父の場合、“女遊び”ではなく、真剣に恋愛していたんだと思います。好きな人ができると、すぐ息子に紹介する人だったんですよ。うまいやり方ですよね、味方につけて取り込むという(笑)。親父の彼女と3人で鍋を食べたこともありますし、反対に、僕と僕の彼女と親父の3人でディズニーランドに行ったこともあります。分け隔てない人なんです。
女性にもモテましたが、むしろ男性のスタッフや俳優にモテてましたね。親父が入院したとき、映画の制作でなかなか病院に行けない僕の代わりに、渡瀬恒彦さんや山本太郎君が、ずっと付き添っていてくれたんですよ。人間から愛される人でした。
そういう親父が誇らしいし、今でも一番好きな映画監督です。親父は永遠に、僕の目標です。
(取材・文/野村美絵)
※週刊朝日 2018年6月22日号に掲載した記事に加筆