国内男子ツアーになると、アマチュアのツアー優勝者が逃した賞金額はさらに大きくなっている。

 同ツアーではこれまで1980年の倉本昌弘から昨年の杉浦悠太まで7人のアマチュア優勝者がいるが、その杉浦が優勝したダンロップフェニックスの優勝賞金は4,000万円。当時、日大4年の杉浦はこの賞金を受け取れず、2位タイの蝉川泰果と中島啓太が分け合った。

 ただ杉浦はリと違い、副賞のメルセデス・ベンツや宮崎牛はゲットした。理由は国内男子ツアーでは、出場登録時にプロかアマかを明確にする必要があるものの、副賞贈呈に関する規定がないため。大会直後にプロ転向表明した杉浦は、受け取る時点でプロなら問題ないというスポンサーの意向もあったようで、ビッグな副賞だけは手にできたというわけだ。

 国内大会で多くの賞金を逃したアマチュアとなると蝉川だろう。2022年にパナソニック・オープンと日本オープンでアマチュア優勝したが、それぞれの優勝賞金は2,000万円と4,200万円。優勝賞金に限れば、蝉川は6,200万円を受け取れなかったということになる。

 では海外のアマチュアはツアー制覇を達成しながらどのくらいの優勝賞金を逃しているのだろうか。

 PGAツアーでは過去に8名のアマチュア優勝者(回数は11回)が生まれている。同ツアー史上7人目のアマチュア優勝者となったフィル・ミケルソン(米)が優勝したのは1991年のノーザン・テレコム・オープンだったが、当時のPGAツアーは現在のように賞金が高額ではなく、ミケルソンがプロだったとして受け取れた優勝賞金は18万ドル(当時の為替レートで約2,400万円)。むしろ、国内ツアーの賞金額の方が高かった時代だ。

 ところが、今季のザ・アメリカンエキスプレスのニック・ダンラップ(米)は、ミケルソン以来33年ぶりのアマチュア優勝を達成したが、この大会の優勝賞金は151万2,000ドル(約2億2300万円)だった。

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LPGAのリディア・コはいくら“逃した”?