高畑充希(たかはた・みつき、左):1991年、大阪府出身。最近作に映画「キャラクター」(2021年)、「怪物」(23年)、「ゴールデンカムイ」(24年)、NHK大河ドラマ「光る君へ」(24年)などがある/岡田将生(おかだ・まさき):1989年、東京都出身。最近作に映画「ドライブ・マイ・カー」(2021年)、「1秒先の彼」(23年)、「ゴールド・ボーイ」(24年)、「ラストマイル」(8月23日公開予定)(写真:植田真紗美)
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 夫婦のあまりにリアルな本音に踏み込んだドラマ「1122 いいふうふ」。この作品で結婚観を揺さぶられたという高畑充希と岡田将生が夫婦のありかたについて赤裸々に語った60分。AERA 2024年6月17日号より。

【写真】蜷川実花が撮った!AERAの表紙を飾った高畑充希さん

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――本作は渡辺ペコの同名漫画の映像化だ。結婚7年目の一子(いちこ)と二也(おとや=おとやん)は30代半ばの共働き夫婦。子どもはいない。仲良しカップルとして周囲にうらやまれる二人には秘密があった。

高畑充希(以下、高畑):私は原作のファンだったんです。実写化したら絶対に面白いだろうな、これからの時代に、よりいろんな人に共感してもらえる作品になるだろうなという予感がありました。

岡田将生(以下、岡田):僕はオファーをいただいてから原作漫画を読みましたが、いまの時代だからこそこの夫婦を描けるんだなと感じました。僕の役はどうしても「クズ」に見られがちだと思いますが、僕自身は二也を人間的にあまり否定的に捉えなかったんです。ただ個人的に「公認不倫」に関しては、現実ではやっぱり難しいかな、とは思いますね。

――一子は二也とのセックスをやんわり拒み、代わりに家庭外で恋愛してもいい、という「公認不倫」の許可を出す。そして二也は趣味の生け花教室で出会った女性・美月(西野七瀬)と不倫の関係に。毎月第3木曜日の夜、二人が会っていることは一子も公認で、かつ夫婦の関係も良好だ。夫婦の関係を維持するための大胆な試みともいえる。

夫婦にしかわからない

高畑:私は一子たちがトライしたことについてはすごく理解できます。私の周りにもずっと一緒に生きていきたい相手ではあるけれど性的対象からはズレていってしまうという夫婦がいて、その矛盾はすごく理解できるんです。同時にいま世の中が過剰に「不倫=悪」という風潮になっていることにも疑問を感じます。夫婦間のことは夫婦にしかわからない。外野がああだこうだ言うことじゃないって。実際に「公認不倫」を許すと夫婦間は破綻してしまうかもしれないなとも思う。難しいですね。

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