6月6日は「梅の日」。その由来は、天分14年4月17日、京都・賀茂神社の例祭で奈良天皇が祭神をまつる神事がおこなわれた際に、梅が献上されたという故事からだといわれている。天文14年4月17日は現在の暦で6月6日にあたる。この時期は、実った梅の収穫期であり、スーパーマーケットなどの店頭には青梅が並ぶ季節だ。そんな梅の日に梅干しの過去の人気記事を振り返る。(「AERA dot.」2023年6月6日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)
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「梅干しは身体にいい」を疑う人はあまりいないが、実際、健康面でどんな効果があるのか、はっきり言える人はそう多くないだろう。梅干し研究家・小川睦子さんは著書『はじめてでもおいしくできる 梅干し・梅レシピの基本』(朝日新聞出版)で、梅の健康効果や食生活への上手な取り入れ方を解説している。抜粋して紹介したい。
酸っぱいものを食べた時に出る唾液が消化吸収をアップ
酸っぱいものを食べた時は、誰でも酸っぱさの感覚にしばし浸ってしまいます。そして、この体験をしたことがある人は、身体の条件反射として、梅干しを見るだけで(本物でも写真や映像でも)、梅干しという言葉を聞くだけでも、自然と唾液が湧いてきます。
唾液には、消化吸収をアップする働きがあります。だから、梅干しのある食卓は健康につながるのです。梅干しのおいしさは酸味と塩味のバランス。酸っぱいだけでも塩辛いだけでも、あの旨味は生み出されません。
梅干しのクエン酸が疲労回復や食欲増進をサポート
梅干しの酸味はクエン酸によるものです。クエン酸は身体の働きを高めてくれる成分。疲労回復や食欲増進、消化の促進をはじめ、血液を浄化したり、カルシウムの吸収を高める働きや、胃腸を守る効果も期待できます。
便秘や下痢などお腹の調子がよくない時にも効果的です。さらに、生活習慣病を予防する効果があるという説も。苦手であれば無理に食べるものではありませんが、日々の食生活に取り入れてみてもよさそうです。
梅を食生活に取り入れて身体の調子を整えよう
古くから体調管理に活躍してきた梅干し。気軽に試すことができるのは「梅醤番茶」です。梅干しに醤油1滴、あればしょうがのすりおろしを加え、熱い番茶を注ぎ、梅干しをくずしながら飲みます。
疲れた時、風邪気味の時、二日酔いやお腹の調子がいまいちな時などにおすすめ。面倒な時は梅干しにお湯を注ぐだけでもOKです。さっぱりしておいしく飲むことができます。
梅干しは、食事ができるようになれば、小さな子どもも食べても大丈夫。塩分が高いので、ごく少量から、ご飯やおかゆと一緒にお試しください。