深澤友紀
いま関心があることとその理由を自由に記述してもらったところ、将来の進路や自身の成績、部活動、恋愛など身近な関心事を挙げる生徒もいたが、社会問題に関することが多かった。
「地球温暖化」は22人が挙げ、そのほか「ネット上の誹謗（ひぼう）中傷／ジェンダー問題／戦争／旧ジャニーズ事務所性加害問題／地震／地方・過疎地域における公共交通機関の存続問題」など、時事・社会問題に関心を寄せる声が多かった。同性婚やLGBTQを挙げる生徒も。理由には「同性同士の結婚が認められていないのが納得できない」「私自身の問題」「周囲にいるから」などが挙がった。また、「10代が社会問題に関心を持てるための方法を議論したい」（高3・女子・奈良）という意見もあった。
現在の高校生を含むZ世代は多様性や社会問題に関心があると言われるが、今回のアンケートでも、その傾向がはっきり出ていた。AERAでは今後、未来を生きる当事者として社会課題を自分事として捉えている高校生たちと、社会について考えていきたい。
《高校生500人アンケート「いま関心があること」抜粋》
■アイドルのあり方／最近SNSでアイドルの容姿を批判している投稿を見て、顔が整っているだけがアイドルの条件ではないと思ったから（高3・女子）
■人種差別・ジェンダー問題／生まれ持った自分で選べないものによって不当な扱いを受けるようなことがあってはならないと思うから（高3・女子・神奈川）
■地球温暖化／氷が溶け、動物たちがいなくなっているからどうにかしたいと考えている（高3・女子・東京）
■格安サイトで服を買うことはダメなことなのか／格安サイトの裏には低賃金で長時間働かされている人がいるわけで、そういう人を助けるにはどのようなお金の使い方をしたらよいのか知りたい（高3・女子・奈良）
■筋トレ・スキンケア・勉強／自己肯定感を満たすため、自己不足感を払拭するため（高3・男子）
■物価高騰／もしこのまま高騰し続けたら私たちが大人になったときにはどうなってしまうのか（高2・男子・香川）
■同性婚／許可しない理由が知りたい（高2・女子・東京）
※アンケートは2024年4月中旬～5月上旬に実施。AERAサポーター高校に協力を呼びかけ、各校の生徒計538人が回答
（編集部・深澤友紀）
※AERA 2024年6月3日号
森朋之
ブレイディみかこ
鴻上尚史
