宇髄天元が鬼殺隊に必要とされるワケ
上弦の壱・弍との戦い、無惨との対峙が刻一刻と近づいている。炎柱・煉獄杏寿郎を死にいたらしめた、上弦の参・猗窩座との戦闘も避けることはできないだろう。柱や炭治郎たちが最前線に移動した後、残された鬼殺隊の関係者たちも、「守り」を固めなくてはならなくなるだろう。
前線から少し離れたところで待機している、隠たち、蝶屋敷の女の子たち、鬼殺隊を支えつつも「戦う術」を持たない者たち。彼らを守り、心の「支え」となる人物が必要になる。恐怖を克服し、皆を力強く鼓舞する存在はなくてはならない。だとすれば、元柱である宇髄天元の存在は、どれだけ心強いものとなるだろう。遊郭の戦いで、上弦の鬼の毒をくらっていた時ですら、宇髄は高らかに勝利宣言し、後輩たちを勇気づけていた。
「余裕で勝つわ ボケ雑魚がァ!! 毒回っているくらいの足枷があってトントンなんだよ 人間様を舐めんじゃねぇ!!」(宇髄天元/10巻・第87話)
どんな苦難の時も、誰よりも“ド派手に”戦ってくれる、宇髄のあの高らかな声が鬼殺隊にはまだまだ必要だ。鬼殺隊の長・産屋敷耀哉は、「つらいね天元 君の選んだ道は」と彼の苦難に心を寄せながら、宇髄が人を救うために「戦いの場に身を置く」ことに感謝し続けていた。引退というかたちを取りながらも、宇髄にはまだやらねばならないことがある。
オリジナルのアニメシーンでは、宇髄の声が明るく響いた。一般剣士たちは、宇髄天元のあの「強さ」を学ばなくてはならない。柱稽古はまだまだ続く。