宇髄天元が引退した「理由」は?
宇髄には、「遊郭の戦い」で大切な妻が危険にさらされた時に、かつて彼女が言った、「上弦の鬼を倒したら一線から退いて 普通の人間として生きていきましょう」という言葉を思い出すシーンがある。結果として、宇髄は、遊郭に潜入していた3人の妻を守りきり、炭治郎・伊之助・善逸、そして禰豆子を死なせることなく、上弦の鬼2体を倒したが、宇髄は妻たちとの約束を果たすことを決意する。
「俺は引退する さすがにも戦えねぇよ お館様も許してくださるだろう」(宇髄天元/11巻・第97話)
蛇柱・伊黒小芭内から「お前程度でもいないよりはマシだ死ぬまで戦え」とまくし立てるように言われても、宇髄は笑いながらそれを拒否している。
「いいや若手は育ってるぜ 確実に お前の大嫌いな若手がな」(宇髄天元/11巻・第97話)
宇髄天元と炭治郎の実力差
原作では、訓練に参加した炭治郎と、宇髄との会話シーンはあっさりしたものだった。一方、アニメでは宇髄が炭治郎に「稽古をつけてやる」様子、つまり、片手・片目の状態の宇髄が、それでもなお強いことが丁寧に描かれていた。しかし、これはアニメ制作側が、独自に補完した内容というわけではない。
実は原作でも、炭治郎が宇髄の訓練を終えるのに「10日程で次の柱の所へ行く許可が下りる」(15巻・第132話)としっかり書かれている。つまり、下弦の鬼に続いて、上弦の鬼を撃破してきた炭治郎ですら、なんと基礎訓練に10日もかかったのだ。やはりまだまだ宇髄に教わる必要があった、ことが明確に示されている。
宇髄の訓練の「アニオリの場面」は、追加要素はあるものの、原作の本筋に“忠実に”作られていたといえよう。