巨人の球団単体としては健全な経営になっているというが、親会社の読売新聞は厳しい状況が続いている。新聞業界が斜陽の中で不動産業など多角的なビジネス展開も求められ、伝統を守ることやファンの要望に応えるだけでいいということでもないので難しい。

「巨人が築地を使用している間に、東京ドームを建て替えることを検討しているのは間違いなさそう。だが、問題は野球場として使用可能な箱が都内に2つもいらないと判断することも考えられる」(巨人担当記者)

 築地再開発事業主体の三井不動産は東京ドームの親会社。読売新聞社との関係性も深く、築地の新スタジアム、東京ドーム、巨人の3つをワンセットで考えて収益をあげることを実現しなければならない。築地に新たなスタジアムができることが決定した今、東京ドームのある場所に新たな球場が必要なのか?という議論もあるだろう。

「三井不動産と読売新聞の考え方次第。巨人というコンテンツでどこまで収益を上げられるか。最終的には巨人は築地に本拠地を移転し、東京ドームを取り壊して野球やスポーツ以外の部分で収益をあげようとする可能性もある」(スポーツマーケティング会社関係者)

 築地の新スタジアムの完成予定は2032年とまだまだ先で不透明な部分は多い。だが、東京ドームを取り壊して、その跡地にマンション、オフィス、店舗などの複合施設ができるという噂もある。当然会社としてビジネスを優先にしなければならないが、今まで様々なドラマが生まれてきた“聖地”に野球場がなくなってしまうのは悲しい気もする。伝統球団である巨人は本拠地についてどのような道を選択するのだろうか。

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