東京ドーム
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 巨人は長い間戦ってきた“野球の聖地”とも呼べる現在の本拠地がある場所にどんな価値を見出していいるのだろうか? 築地に建設予定の新スタジアムへの移転も噂される中、野球ファンのみならず多くの人々が老舗球団の今後に注目している。

【写真】本拠地移転から25年以上経つが、今でもファンに愛されている球場がこちら

「巨人軍の本拠地移転を前提にしてきたものではございません」(巨人軍・山口寿一オーナー/読売新聞グループ本社代表取締役社長)

 5月1日、東京・築地市場跡地の再開発事業に関する会見が行われた。「築地に建設予定の新スタジアムは巨人の本拠地になるのでは……」と言われていただけに山口オーナーの発言には驚きが広がった。

「読売新聞グループ本社は事業予定者に名を連ねている。球団トップの口から本拠地移転の発表か、と思われていたが山口オーナーの声のトーンを聞く限り(移転の話は)簡単には進まなそうだ」(スポーツマーケティング会社関係者)

 現在の本拠地・東京ドームのある場所は以前のホームグラウンドでもある後楽園球場もあった“聖地”でもある。後楽園時代には川上哲治、長嶋茂雄、王貞治、東京ドームに移転してからも松井秀喜や、今も現役選手としてプレーする坂本勇人ら球団の枠を超えたレジェンドたちがプレーした特別な場所だ。立地面もよく、築地に移転するのを簡単に決められない理由の1つにもなっているはずだ。

「巨人=水道橋・後楽園の印象は強い。阪神甲子園も同様だが、時代は変わっても絶対に大事にしてもらいたいと思っている」(巨人OB)

 野球の母国・米国でも名門ヤンキースは本拠地ヤンキー・スタジアムを1973年のシーズン後に老朽化のためにいったん取り壊し、再びその場所に新たなスタジアムを建設(建設中はニューヨーク・メッツの本拠地を間借り)。そして、2009年からはその真横に誕生した新たなヤンキー・スタジアムで戦っている。伝統球団であるヤンキースは長い歴史を持ち、球場の建て替えなどはあったが、“同じ場所”で戦うことに意味を見出しているのは間違いないだろう。

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