堀田は東北では評判の右腕だったが、甲子園出場はなく、3年夏の青森大会も早々に敗れている。2度抽選を外した後の指名だっただけにそれほどのサプライズ感はなかったが、大化けを期待しての指名だったことは間違いないだろう。入団直後にトミー・ジョン手術を受けて出遅れたものの、3年目の2022年には一軍で初勝利をマーク。昨年は少し足踏みのシーズンとなったが、今年はここまで3勝0敗、防御率0.74と見事な成績を残している。巨人が抽選を外した奥川は怪我で長期離脱が続いているだけに、このあたりにもドラフトの難しさが出ていると言えそうだ。

 ここまでは成功例を紹介したが、確率的に言うと苦しんでいる選手が多いのは事実である。2017年にはソフトバンクが3度抽選を外して吉住晴斗を指名。本人も育成での指名を考えていたというほどの“サプライズ1位”だったが、一軍昇格を果たせないまま4年でユニフォームを脱いでいる。ソフトバンクでは笹川吉康(2020年2位)とイヒネ・イツア(2023年1位)もポテンシャルを評価して上位指名した選手だ。笹川は柳田二世として球団の期待は高く、ようやく二軍のレギュラーをつかみつつあるが、そこまで目立った数字を残すことができていない。イヒネも1年目は故障に苦しみ、まだまだプロに慣れているという段階だ。この2人が期待通りに成長できるかが、チームにとっても極めて重要であることは間違いないだろう。

 一方のセ・リーグでは中日が2021年のドラフトでブライト健太と鵜飼航丞という未完の大砲タイプを上位で指名している。ブライトは4年春、鵜飼は4年秋に結果を残したものの、活躍した期間の短さを懸念する声も多かったことは確かだ。鵜飼は1年目から一軍で4本のホームランを放ち、ブライトも昨年は二軍で結果を残したが、3年目の今年は揃って二軍暮らしが続いている。大学卒ということを考えると、期待の若手と見られる期間はあと1、2年であり、そろそろ一軍定着を果たしたいところだ。

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