愛着の持てなかった2階。昭和時代のタンスがそのまま/ビフォー
愛着の持てなかった2階。昭和時代のタンスがそのまま/ビフォー
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2022年の「今ごろ」に話題になっていたニュースや出来事などを振り返ります。この記事はAERAで2022年5月30日に掲載されたものです(年齢や肩書などは当時のまま)。

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 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

case.23 ファシリテーションに徹して家族を動かした

夫+子ども2人/専業主婦 

「夫は仕事、私は家事育児、それぞれが淡々と役割をこなしていて。会話が少なくても生活が回っていました。夫は口数が少なく自室にこもりがち。報連相(ほうれんそう)もなく、関係は冷える一方でした」

 ななさんは夫と2人の子どもと暮らすお母さん。夫婦関係も家の片づけも突破口を見つけたいと思っていました。

  夫は自分からは積極的に家庭に関わらない人でした。

「私が大きな物を移動したり、あちこち片づけていても、スーッと無言で横を通りすぎていくんです。家事は私の担当だけど……嫌なヤツ、と思っていました。頼みごとをすると、興味のあることはやるけど、ないことは数年後。期待したら腹が立つからあきらめていました」

 夫婦の役割意識は、日々をスムーズに回す一方で、心の距離を生む原因に。

 家の片づけはと言うとトライ&エラーの連続でした。互いに「自分の家が嫌」という友達と部屋をチェックしあい「これはなくていいんちゃう?」「こんなんゴミやん」と客観性をとり入れながら物を減らし、頑張るけどリバウンドのくり返し。

 夫も片づけが苦手で、物を溜め込む癖がありました。

「たとえば衣類なら、向こうが見えるくらい透けた肌着から穴の空いた靴下まで、もう何枚もありました。捨てようとしたり、彼の物を勝手にさわると怒るんです。私が片づけたらいいんでしょうけど、『ほっといてなんでしょ?』ってバサッと割り切っていたので、夫の部屋は汚部屋でした」

 片づけ問題で、2人の間にはますます溝ができていました。

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罪悪感、数年来の後ろめたさが……