2010年ごろの相武紗季さん(事務所提供)

世間がつくったイメージに縛られていた

 30代になり、結婚、出産、育児・家事など、それまで女優として活躍してきたときとは違った日常を過ごしている相武さんだが、芸能界の第一線で活動していた10代~20代は怒とうの日々だったという。

「本当に刺激の連続でした。深夜に撮影が終わって、寝る暇もなく台本を覚えて次の現場に向かうみたいな目まぐるしい生活を送っていました。本当に一日一日を全力で駆け抜けるという感じでしたね」

 17歳で女優デビューしてから、長らく「正統派」と呼ばれることが多かった相武さん。だが、そのイメージに自身が縛られてしまう部分があったという。

「10代でデビューして『清純派』とか『爽やか』みたいなイメージが広まって、良くも悪くもそこから出られませんでした。一度定着したイメージが固定され続けた感じがありましたね。芸能界に入って、自分をキラキラに見せたいとか、人に見られたときにがっかりさせたくないとか、承認欲求じゃないですけど、自分の価値をどうにかして認められたいっていう気持ちがすごくありました。興味が自分自身にではなくて、常に外に向かっていたんだと思います」

 そんな時代を過ごしてきたこともあって、30代になった今が「一番自分らしく生きられている」と話す。

「30代って、結婚したり、子どもが生まれたりっていうライフステージの変化があったんですけど、一方で余裕もできて、自分に向き合う時間ができました。20代までは世間のイメージに縛られて、外からの視線に敏感になり過ぎていたときもあったんですけど、30代になってそれがなくなって、結構好きにできるようになったし、もっと好きに生きていいんだなって考えるようになりました。興味も今は自分の半径1~2メートルくらいの中にあります。自分ってこういう人なんだというのがわかったのが、30代だった気がしますね。特に子育てをすると、自分の性格をいやでも自覚させられるんです。自分はこういう状況になると、すごく感情的になりやすくて嫌だなとか、子どものためにならない言葉遣いをしちゃうんだよなとか、子育てが自分自身の内面を知るきっかけにもなっていますね」

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