円安はどこまで進むのか。写真:AP/アフロ

 次に、長期的な為替相場は何が重要なのかも考えてみたいと思います。これは、いろんな意見があると思いますが、私はその国の経済力や、通貨に対する需給だと思います。つまり、円とドルの実需のバランスではないかと考えています。日本はエネルギーや食料の多くを輸入に頼っているだけでなく、 デジタル化の進展と共にサーバーデジタルサービスの多くを米国テック企業に依存している状況です。その結果、日本全体で円買いドル売り需要よりも、ドル買い円売り需要が年々増している状況であり、貿易収支にもその傾向が反映されています。なので、私は一時的には反動で円高もあると思っていますが、円安トレンドは簡単にはなくならないと考えています。資産運用においては円に関するものだけでなく、外貨預金など海外資産で分散する心構えは必要と考えています。

選挙が近づくにつれて…

 さて、最後に何を契機に短期的に円高になる可能性があるかも考えてみます(外れる予想と思って読んでください〈笑〉)。日銀は、為替を意識して政策金利を引き上げるような愚策をしないとは言われています。しかし、日本は賃上げの恩恵を受けにくい、年金に頼る傾向が強い高齢者がマジョリティーであり、シルバー民主主義の国です。彼らにとっては、円安はあまり嬉しくない現象です。選挙が近づくにつれて、何が起こるのか……ドキドキしています。

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