10代・20代が客層の中心のアニメフェスで「Get Wild」を演奏し、大歓声が上がったことで若い世代への認知の高さを実感した(撮影/山下深礼)

 9日放送音楽番組「The Covers」(NHKBS午後9時30分・NHK総合午後10時)は「カバーズ DAY!」と題して、NHK BSと総合テレビを横断して、2本立てで連続放送されるのが話題だ。総合テレビでは「80s ロック・ナイト!」が放送。デビュー40周年を迎えたTM NETWORK、REBECCAを中心に、80年代のバンドシーンを特集する。そんなTM NETWORKの過去の人気記事を振り返る。(「AERA dot.」2023年11月5日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)

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 アニメ「シティーハンター」の新作映画「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」のエンディングテーマはTM NETWORK最大のヒット曲「Get Wild」だ。TM NETWORKの3人が、今も愛され続ける自身のヒット曲「Get Wild」や音楽について語り合った。AERA 2023年11月6日号より。

──シティーハンターは連載開始から40年弱経ってもなお、新作の劇場版が公開され、2024年には実写映画がNetflixで全世界配信される。

木根尚登:主人公の冴羽リョウ(けものへんに寮)もかっこいいんだけど、それだけではない魅力は大きい。おちゃらけてもちゃんとかっこよさに戻れる。あの振れ幅を演じている声優の神谷明さんの表現力もすごい。自分たちで言うのも何ですが、大人っぽくて都会的な作品の世界観にTMの音楽がハマった気はしますよね。

宇都宮隆:冴羽リョウといえば“もっこり”が有名ですが、それも含めて愛されている。TMはMCもアンコールもないようなライブをやっているんだけど、3人でラジオをやるとくだらない話を延々としゃべってる(笑)。そこもシティーハンターと重なる部分があるのかもしれない。

木根:確かにね(笑)。

世界観が楽曲に

小室哲哉:シティーハンターというお題がなかったらGet Wildは生まれていません。最初から今挙がったようなシティーハンターの世界観が楽曲に貫かれていて、すごく良い形で共存できている。だからこそ今でも求めていただけるのだと思っています。

──今年6月には新曲2曲を含む最新作「DEVOTION」をリリースするなど精力的な活動を続ける。2024年4月にはデビュー40周年を迎えるが、再び時代とシンクロしている実感はあるのだろうか。

木根:10年ぐらい前に僕より世代が上のラジオパーソナリティーの方に、「盛り上がったアーティストには落ちる時が来るけど、やがてまた上がる。そういう周期があるのは、ファンが子育てによってそのアーティストからいったん離れるんだけど、子どもが大きくなって手がかからなくなるとまた戻ってくる」という話をされたことがあります。だから「TMもまた絶対上がるから!」と言われました。確かに「子育てでずっとTMのライブに行けなかったけど、やっと行けるようになりました」っていうメールをいただくこともあるんですよね。

宇都宮:例えばラジオのスタッフの方に「昔から聴いていたファンなんです」と言われることもあります。昔は女性ファンがほとんどだったんですが、男性の方からそう言っていただくことも多いので、僕はそういう方たちのことを「隠れTMファン」と呼んでいます(笑)。

木根:それは感じる。「男性ファンがこんなにいたんだ」って。

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