あなたも、一度このように「すべて逆なのだ」と考えてみてください。人生に行き詰まりを感じている人は、突破口を開くきっかけになるはずです。

考え方を逆にすると、だいたい正しくなる

 自分中心をやめるというのは、大きなパラダイムシフト(当然と考えられていたものの見方や考え方が劇的に変化すること)です。

 私はこれを「天動説」から「地動説」への移行にたとえています。

 仕事でも人間関係でも、結果が思わしくないときは、「世界は自分を中心に回っている」という考えにとりつかれているものです。ですから、考え方を次のように変えてみてください。

「残念ながら、世界は私を中心に回っていない」

「自分は世界の一部でしかなく、みんなと一緒に回っている」

 それだけで、事態は面白いように好転し始めます。その理由を天動説と地動説にたとえて説明してみましょう。

「自分中心」の考え方は、まさに「天動説(=地球中心説)」です。

 天動説とは、ご存じの通り「私たちが住む地球は宇宙の中心にあって、太陽や月をはじめとするすべての星々が、地球の周りを回っている」という世界観のこと。

 2世紀のエジプト・アレクサンドリアの天文学者プトレマイオスの考えがもとになっていて、その後1400年もの間、信じられ、そこに疑問をさしはさむ人はいませんでした。

 その後、16世紀に提唱されたのが、「地動説」です。

 ポーランド生まれのコペルニクスが1543年の著書で「地球やその他の惑星が太陽の周りを回っている」という「地動説」をとなえました。そう考えると、惑星の動きなどを無理なく説明できるからです。

 この説は、当時カトリック教会からも異端として否定されていました。

 確かに、星空を見上げてみると、地球が中心にあるような気がします。当時の文化や観測技術を考慮すれば、天動説を支持する気持ちも理解できます。

 一方で、「地球は人間が住む特別な星である」「すべての天体は地球のしもべである」という人間のエゴが根底にあったことも間違いないでしょう。

 地動説を前提とすると、天文学における無理、矛盾がどんどん解消されたことから、17世紀、ようやく「地動説」が確立します。

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