(写真はイメージ/GettyImages)

 試験や大事な会議など、集中力が必要な場面でトイレに行きたくなってしまうというのはよくあることだ。順天堂大学医学部教授・小林弘幸さんは「腸は『第二の脳』。腸内環境を整えることが、ひいては自律神経の乱れを整えることにもなる」と話す。小林さんの著書『自律神経の名医が教える集中力スイッチ』(アスコム刊)から、『腸』を整えて集中力を高める方法を紹介する。

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緊張すると下痢しやすくなる理由は?

 じつは人間が感じるストレスは、脳から腸へと出されている命令を強くしてしまうため、その消化器運動にも大きな影響を与えるとされています。ストレスによって腸の収縮運動が激しくなると、普段よりも便が腸内を通過する速度が上がってしまい、便から充分に水分を吸収できずに下痢を引き起こしてしまう、というのが一連のメカニズムです。

 ストレスは自律神経のバランスを崩す大敵。しかし、自律神経によって腸の働きがコントロールされるのであれば、逆説的に腸内環境を整えることで自律神経の乱れも改善できるということです。自律神経のバランスを整えるうえで大切になるのが、朝の過ごし方。目覚めとともに交感神経は働き始めますが、「今日も一日がんばろう!」とやる気に満ちているのであれば、自律神経も良好な状態にあるといえるでしょう。

 一方で、起床して早々に憂鬱な気分になってしまう人は、充分な睡眠が得られていなかったり、副交感神経の働きが悪かったりする可能性があります。そんなときにおすすめしたいのが、コップ1杯の水を飲むことです。ちびちびと飲むのではなく、ぐいっと一気に飲み干してください。

 こうすることで胃に重さが加わり、その下にある大腸の上部が刺激されることによって、腸の働きを促すことができます。これを胃結腸反射といいますが、腸が伸縮するぜんどう運動を始めることによって、副交感神経の働きが高まるのです。

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小林弘幸

小林弘幸

小林弘幸(こばやし・ひろゆき) 順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。1987年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科などの勤務を経て順天堂大学小児科講師、助教授を歴任。腸と自律神経研究の第一人者。『医者が考案した「長生きみそ汁」』など著書多数。テレビなどメディア出演も多数。

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1日2食以下は腸をさぼらせることに