腸には1日3食がベスト

 結論からいうと、自律神経のバランスを整えるためには一日に3回の食事がベストであり、ここに異論の余地はありません。たとえば、現代社会では運動不足が深刻な問題でもあるので、一日に必要な摂取カロリーをオーバーしてしまい、太ることを懸念して、食事の量ではなく食事の回数自体を減らしてしまう人がいます。

 しかし、食事には腸の働きを促す役割もありますので、先ほどの「コップ1杯の水」と同様に定期的に腸に刺激を与えることが、自律神経のバランスを整えることにも一役買っているのです。腸には「刺激を加えることによって動く」という、臓器としておもしろい性質があります。

 みなさんも、便秘のときにはお腹をマッサージして排便を促しますよね。要するに、一日の食事が1回であれば、腸には1回の刺激しか与えられず、同様に食事が2回であれば2回、3回であれば3回ということになります。一日の刺激が2回以下というのは少なすぎなので、腸をサボらせてしまっているともいえます。

(写真はイメージ/GettyImages)

 逆に回数が多ければ多いほどいいというわけでもなく、つねに何かを食べ続けているようでは、腸も働きすぎでダウンしてしまいます。あくまでも適度な刺激と休息が必要なので、腸にとっては一日3回の食事が好ましいでしょう。

食物繊維を食べて腸を整える

 脳と腸は密接な関係にあるため、自律神経が乱れると便秘や下痢といった症状になって現れますが、そういった体調にあるときは得てして気持ちが沈んでいたり、何事にもやる気が起きなかったり、メンタル面にも不調を抱えています。

 腸内環境が悪化すると、血流が乱れることによって「うっ滞」を引き起こします。これは腸の運動(ぜんどう運動)がしっかりと働かないために流れが悪くなり、いわゆる腸の動きが滞ってしまっている状態。うっ滞になると腸内で大腸菌やウェルシュ菌といった悪玉菌が増えてしまうので、腐敗物や毒素をたっぷり含んだ血液が全身へと送られてしまいます。

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腸は「第二の脳」