こづえさんが残した写真のなかに、嘉門さんが一人でその写真を見たときに、メッセージが伝わってくるものがあることに気が付いたという。
嘉門さんは、
「彼女は、人生のゴールを分かっていたんですよね。そんな女性だったからこそ、健康な夫婦よりも密度の濃い、かけがえのない14年間を過ごせたと思います。夫婦生活に悔いは一切ありません。僕にしかない経験と感情を、これからの歌に込めていくことができますから」
と話し、こう続けた。
「彼女は、本当に格好良かったと思います」
やってしまったことは、消せない。再始動を応援してくれるファンがいる一方で、もう嘉門さんの歌は聞きたくない、などという厳しい声があることも承知している。
「どうやったら人を笑顔にできるか、幸せにできるか。迷惑をかけてしまった人たちのためにも、今後の人生では自分の過ちを見つめながら、そのテーマを追求していきたいと思っています」
65歳。大反省を続けながらの、人生のやり直し。
これからの生き様を、天国のこづえさんも見ている。
(國府田英之)