
中日の未来は暗くない
同じく2年連続最下位からの巻き返しを狙う中日も、開幕ダッシュに成功して一時は貯金6で首位に浮上。立浪和義監督は新庄監督と同じタイミングで就任し、今年が3年目のシーズンとなる。低迷期から抜け出せないため風当たりは強いが、チームを変革しようという強い意志は感じられる。岡林勇希、高橋宏斗、松山晋也と生え抜きの若手が次々に頭角を現し、現役ドラフトでDeNAから獲得した細川成也も長距離砲としての素質を開花させた。今季は巨人から移籍した中田翔が4番に入ったことで、打線に太い幹ができた。田中幹也、村松開人の二遊間も攻守で成長の跡を見せており、立浪監督も手ごたえをつかんでいるだろう。
名古屋のテレビ関係者は、「ベンチワークで批判の声が多いですが、育成の手腕に長けた監督だと思います。投打で1年に1、2人と若手が一本立ちしていますしね。チームの未来は決して暗くない。監督3年目ということで、過去2年の反省を生かしている部分があると思います」と評価する。春先の勢いがなくなり失速しているが、ここで踏みとどまれるか。
新庄監督、立浪監督は共にチーム改革を託されて就任した。育成と勝利を両立するのは容易ではない。両球団は共に2年連続最下位に沈んだが、今年は上位戦線に食い込もうとしている。
新監督のチーム再建には3年が必要といわれる。松井監督は下位から浮上する戦いを見せれば来季続投の可能性が十分にあるが、今季も2年連続で下位に低迷した場合はどうだろうか。
西武を取材する記者は、「難しい判断になると思います。でも、まだシーズンが始まって1カ月ですからね。打線が機能して得点力が上がれば、投手力は良いので白星を積み上げられる。選手達は意地があるでしょう。松井監督は選手の人望が厚く、スタメンから外れた選手に声を掛け、助言を送るなど視野が広い。良いリーダーになる資質は持っていると思うので巻き返してほしいですね」と期待を込める。
新庄監督、立浪監督、松井監督は現役時代に球史に残るスーパースターとして活躍した。指導者としてもキャリアを輝かせられるか。三者三様の戦いはこれからも続く。
(今川秀悟)
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