家賃の滞納はめったに起きない

  神吉さんの家族は複数の集合住宅を所有しているが、入居者の半数以上が65歳以上の高齢者だという。ずっと住み続けて高齢になった人もいるが、毎年十数人の高齢の新規入居者を受け入れてきたという。

 「結婚して子どもを育て、その子どもが独立して家を出て、その後、夫や妻と死別してひとりになったという方もいますし、入居する時点ですでに高齢の方もいます。新規入居の方で最高齢は89歳の男性でした」(神吉さん、以下同)

  神吉さんは、高齢者を受け入れるにあたって、どのような工夫をしているのか。

  まずは家賃滞納への備えだが、神吉さんは入居する条件として、家賃滞納があった際に、それをカバーしてくれる保証会社との契約を必須にしている。

  と言っても、高齢者の滞納が目立つからではない。逆に高齢者は年金暮らしで収入が安定しており、身の丈にあった生活をしているため、滞納はめったに起きないという。認知症になって支払いができなくなったときのリスクを回避するためだ。

 「家賃滞納に関しては、高齢者より、リストラや仕事をやめたりして収入が一気に減る可能性のある若い世代の方が、リスクがあると感じています。保証会社の方と話しても、滞納は若い世代の方が目立つと聞きますね」

 そして、大家が最も懸念するのは孤独死だろう。特に発見が遅れた場合、大家にも心理的負担が生じるし、特殊清掃に大きなお金がかかるためだ。

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