撮影中に「変顔」をしてくれた金田さん(撮影/写真映像部・佐藤創紀)

実力がないのに前線に放り込まれた

「勢いと無知を強みにブレークしてしまったというか。フツーのあんちゃんが、22、23歳で憧れた人たちと番組で共演することができてしまった。内村(光良)さんとコント番組やったり、ナインティナインさんの『めちゃイケ』(『めちゃ×2イケてるッ!』、フジテレビ系)にも出させてもらいました。その他にも、CMや映画、ドラマへの出演、曲を出して音楽番組にも出ることができました。本当に運が良かったと思います」

 プライベートでも、芸能界のスターたちと時間をともにすることができたという。

「岡村(隆史)さんと2人でおでん屋さんでお食事出来たり、志村さんともご一緒に飲ませていただいたことも忘れられません。コントやキャラクターの話をしたり、僕が当時やっていたネタを『やり続けなさい』って言っていただけたり。この数年で本当にいろんな経験をすることができました」

 しかし、爆発的な人気の裏では、キャリアの浅さが露呈したこともあったという。「実力がないのに前線に放り込まれて、どの番組もうまくいきませんでした」と話す。

「ネタはウケていたし、評価もされていたと思います。けど、トーク番組とか平場だと全くウケなかったんです」

 人気の絶頂期にあった金田さんは、当然、番組の華として中心に置かれることが多かった。その脇を固めるのは、有吉弘行さん、ブラックマヨネーズ、フットボールアワー、チュートリアル、バナナマンといった「刀を研ぎ続けてきた猛者たち」(金田さん)だった。

「大先輩たちと横並びで出されるのは、めちゃくちゃキツかったです。ネタはフレーズやテンポでウケるんですけど、平場だと人間力とか経験値が全てなんですよね。ベテランの方たちとは、人間としての分厚さが全然違うなと思いました。やっぱり自分の言葉は軽いし、薄っぺらかったんです」

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