本来、医薬品は人道上の観点から制裁の対象外ではある。ただ、外国の製薬会社は制裁を科されるリスクを極力避けようとするため、イランと取引するのを控える傾向が強いようだ。一方、国産の薬はあるものの、原材料の多くを輸入に頼っている。制裁のあおりを受けて国内の製薬会社も手元資金が少ないうえ、為替レートで通貨リアルの暴落もあり、原材料の入手が滞っていると聞いた。
病院を受診してから2〜3日が経ち、長男の体調は戻ったが、そのあとも、長男をはじめ、長女もたびたび、咳や下痢、発熱、体の発疹に悩まされることになった。
処方箋を出された時はそのたびに、薬局を2〜3軒まわってどうにか薬を手にできた。在庫がなく、処方薬とは異なる別の薬を渡されたこともあり、薬を得られないかもしれない不安や恐怖は常に消えなかった。