2023年春、清原正吾は法大戦でリーグ初安打を放つ

「彼に必要なのは実戦経験」

 一方、独立リーグで監督を務める元プロ野球OBはこんな助言をする。

「プレーを映像でチェックしていますが、まだNPBの指名でかかる段階ではないと思います。ただ、大学で野球に区切りをつけるのはもったいない。中学、高校と野球をやっていないのに、わずか4年で慶大の4番を打つことは凄いことです。それだけの潜在能力がありますが、まだ生かし切っていない。個人的には大学を卒業した後、社会人野球に進むより独立リーグでプレーしてほしいです。独立リーグの方が試合に出るチャンスが多いし、年間の試合数も多い。彼に必要なのは実戦経験。試合を重ねることで自分の武器や磨かなければいけない能力が見えてくる。独立リーグで2、3年プレーしてNPBに挑戦するのも決して遅くありません」

 近年は独立リーグからNPBで活躍する選手が増えている。昨年のWBCで侍ジャパンに選出された湯浅京己(現阪神)はBCリーグ・富山から18年ドラフト6位で入団した。20年に広島から戦力外通告を受けて退団した藤井皓哉は四国アイランドリーグplus・高知で力を磨き、22年に育成枠でソフトバンクに入団。同年に55試合登板で5勝1敗22ホールド3セーブ、防御率1.12とセットアッパーで大ブレークした。野手で楽しみな存在が、ルーキーの井上絢登(DeNA)。福岡大を卒業後に四国アイランドリーグplus・徳島でプレー。2年連続本塁打、打点の2冠に輝き、ドラフト6位で指名された。同じパワーヒッターで大学、独立リーグを経てNPB入りした歩みは、正吾の参考になるかもしれない。

 スター性のある選手だけに、正吾の今後の活躍が楽しみだ。日本のプロ野球界で数少ない「親子鷹」が誕生するだろうか。

(今川秀悟)

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