「 紅葉狩り」という言葉がありますが、なぜ「狩り」なんだろうと疑問に思っている人も多いのではないでしょうか? もともと「狩り」とは狩猟のことを指しますが、平安時代に入り、狩猟を行わない貴族たちが現れ、自然を愛でることを「狩り」と呼んだといわれています。
平安時代から紅葉の美しさを楽しんできたいにしえの人々。
古都・京都には、歴史上の人物たちゆかりの紅葉スポットが多く残されています。
── 真紅の紅葉と歴史に触れられる京都の名所をご紹介します。
下鴨神社は『源氏物語』にも登場する「賀茂祭」(後の「葵祭」)の舞台となる場所。上賀茂神社とならび、紫式部ゆかりの場所でもあります。
そんな下鴨神社には「糺(ただす)の森」と呼ばれる、知る人ぞ知る紅葉スポットがあるのです。ちなみに「糺の森」には「偽りを正す」という、神聖なる意味が込められています。
『源氏物語』の中で源氏が須磨に流される際、〈憂き世をば 今ぞ別るる とどまらむ 名をば糺の神にまかせて〉(辛い世の中を今は離れるけれど、後に残る噂の是非は糺の神に委ねよう)と糺の森について詠んだ歌があります。
紫式部以外にも多くの歌人が糺の森にまつわる歌を詠んでいたほど、神秘の森として愛されてきました。
知る人ぞ知る平安から伝わるパワースポットであり、京都らしい真っ赤な紅葉が魅力の下鴨神社。さらに今年は21年に一度の式年遷宮を終了したばかり。下鴨神社を訪れるなら今がチャンスです。
●豊臣秀吉の夢だった「醍醐寺」での紅葉狩り
醍醐寺といえば、豊臣秀吉が行った「醍醐の花見」で有名な場所。