楽しい「コース取り」

 パレードやショーは一切見ない。アトラクションの乗り物に乗ったり、他の客を観察したりするのがたまらなく面白い。歩くのは好きではなかったが、ディズニーリゾートではワクワク楽しみながらまる一日、10キロ近く歩く。スタッフがおじさん1人でも温かく迎えてくれるのが、またうれしい。

「限られた時間でいかに効率よく回れるか、『コース取り』を考えるのが今は楽しいです」

 そう話す八日市屋さんに、家族とは行かないのか、と尋ねるとこんな答えが返ってきた。

「やっぱり平日で適度に空いているから楽しめるのだと思います。娘はいま受験勉強で忙しいし、学校も休ませられない。その分、グッズを買ってあげて、行った気持ちになってほしいと思っています」

 ネットで「1人ディズニー」で検索すると、「楽しみ方」や攻略法を説く情報とともに「そういう人、普通にいます」「全くおかしくないですよ」と背中を押す意見であふれていた。実態はどうなのか。『ひとりディズニー50の楽しみ方』(サンクチュアリ出版)の著者、みっこさんによると、1人客は以前から多く見られたが、コロナ禍以降に一気に増えた印象だという。

 家族やグループで行く人はSNSなどでアピールしがちだが、1人で行って楽しみたい人は他人に自慢するのが目的ではないため、表に出にくいものの、「決して珍しくはない」という。

「女子大学生もいれば70歳を超えた男性も、普通に1人で来られているのを見かけます」

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