リゾート気分に浸って
釜山の街中で、寿司、ラーメン、焼き鳥の看板をたびたび見かけた。日本を代表する輸出品の一つでもある日本食だが、韓国では新たな局面を迎えている。
「日本料理といえばお寿司屋さんだと浸透していましたが、会席料理はここ2、3年で釜山でもようやく2、3店舗出てきた感じなんです」(森さん)
韓国ではみんなで大皿に盛られた料理を食べる食習慣のため、小さい器に盛りつけられた料理を一人ずつ食べるのは、あまりなじまないという。森さんは言う。
「また、会席料理は食材の味を引き立てる優しい味付けなので、韓国の唐辛子やニンニクを使ったパンチのある味と違って物足りないなど、理解されなかったと聞いていましたが、お店を始めて3年、来てくれたお客さまは、おいしいと言ってくれますし、日本に旅行に行く人が増えたことによって、会席というスタイルを好む人も増えてきたように思います」
海外の人が受け入れる日本食の幅は、確実に広がっていた。
釜山には、海雲台(ヘウンデ)という1.5キロ続くビーチもあり、リゾート気分に浸れそう。海東龍宮寺(ヘドンヨングンサ)という寺院は、海沿いにあって風が気持ちいい。
「買い物をするソウルに対して、ゆっくり落ち着きたい人は釜山がおすすめですよ」(森さん)
連休や夏の旅行先に釜山はいかが?(編集部・井上有紀子)
※AERA 2024年4月22日号