韓国最大の港町・釜山。海の幸も豊富で名物料理もたくさんある韓国グルメの台所だ。今年初めてミシュランガイドの対象都市にもなった釜山で食を堪能した。AERA 2024年4月22日号より。
【写真】日本で見る韓国冷麺とも、日本のそばとも違う。そば粉100%の平壌冷麺はこちら
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韓国グルメやコスメを求めてソウルに行ったことは何度かあった。だが、ソウル以外の都市には行ったことがない。そこで、新鮮な魚介類が手に入る港町であり、韓国料理のおいしいグルメ都市・釜山に飛んだ。
釜山は韓国の南部にあり、ソウルから高速鉄道で約3時間。福岡からも高速船で3時間40分、成田空港からは飛行機で2時間ちょっとで行ける。人口は約330万人でソウルに次ぐ韓国第2の都市。ガイドのイ・ドヨンさんは、大阪と似ているところがあるという。
「方言もありますし、釜山の人はソウルの人と比べて目立つタイプで面白いですよ」
しゃべりに勢いがあって、早口。そういうところに“大阪感”があるという。
「日本でいう京都のような歴史的な街にもアクセスしやすいのも特徴です」
釜山からバスで50分、特急だと30分で、慶州という世界文化遺産に登録されている寺院が立ち並ぶ古都にも行ける点も大阪と似ている。
そば粉100%の冷麺
韓国といえば冷麺。レストラン「Buda Myeonoak」(ブダミョンオク)で食べたのは、平壌(ピョンヤン)冷麺だ。日本でよく見る冷麺は、白くモチモチした麺だが、この店は茶色の麺で食べ応えがある。なんとそば粉100%なのだという。でも、日本のそばとは違う。かむと香ばしいナッツの香りがする。韓国牛のすね肉がベースのスープは、透き通ってまろやか。見た目だけではなく、味まで透明感があるような気がする。どうやってうまみを出しているのか、店主のイ・スハクさんに聞くと、こうコメントが返ってきた。
「韓牛は香ばしくコクがあります。肉の量を多めに入れて煮込み、時間をかけて冷やした肉のスープですが、さっぱりとしたうまみのために、野菜もたくさん入れて煮込んでいます」
匠のこだわりを感じさせる。麺の上に乗っていた牛肉のスライスは、さっぱりとしていながら、味がしっかり染みていた。赤いソースのビビン冷麺は甘辛で、コチュジャンのうまみを感じた。またリピートしたい!