大谷は世界最高の野球選手かという問いに、「ロサンゼルス・タイムズ」記者のディラン・ヘルナンデスと、「ジ・アスレチック」記者のサム・ブラムは『米番記者が見た大谷翔平 メジャー史上最高選手の実像』(朝日新書)のなかで、間違いないと答える。世界一の野球選手の強さを象徴するプレーの数々を、一部抜粋して解説する。
【写真】【絶好調の大谷】史上最高の野球選手は大谷翔平? 米番記者が語る大谷の真の強さとは?
※記事中の「トモヤ」は在米ジャーナリストの志村朋哉さん。3人による会談は昨年中に行われました。
史上最高の二刀流
トモヤ ズバリ聞くよ。大谷は世界最高の野球選手だと思う? 僕は議論の余地すらないと思う。チームにもたらす価値、数字、能力、影響力など、どれをとってもナンバーワンだから。
ディラン 間違いない。
サム そうだね。
ディラン 議論は、史上最高かどうかってところになってくるだろうね。現役選手と比べると、頭が一つも二つも抜けているから。この6年間で、野球が上手くなることだけに集中して、毎日、少しずつ積み上げてきたことで、大きな差が生まれた。
サム 個々の面で見れば議論は成り立つ。大谷は現役で最高の打者か? そうとも言えるし、そうでないとも言える。最高の投手か? おそらく違うだろうけど、そうなる可能性はあるかもしれない。走塁で一番か? ホームから一塁までのスピードはそうかもしれないけど、盗塁王が狙えるかは分からない。でも全てを足し合わせると、比較になる選手なんていない。議論の余地すらない。野球選手としての完成度を見たら、同じ次元の選手はいないと思う。歴史を遡ってもいないかもしれないし、これからも出てこないかもしれない。そういう意味で、僕は史上最高の選手だと思う。