その魅力は、オープニングのアニメーション映像にもあると中村氏は話す。
「シシヤマザキさんによるオープニングも魅力的です。寅子が生涯をかけて追求していくであろう法の『精神』と、シシさんの表現する『身体性』が混ざり合い、人の“温もり”が感じられるアニメーションが朝の雰囲気にマッチしており、ドラマの盛り上がりを予感させます」
シシヤマザキさんによるオープニングのアニメーションは、「ロトスコープアニメーション」という技法で、実際に動いている映像を水彩画のように仕上げるものだそう。米津玄師の主題歌「さよーならまたいつか!」と共に、とても軽快で明るい。「虎に翼」の世界観に、そんなところからも引き込まれる人が多いのだろう。
主人公・寅子の人気の理由
第1週目にして、すでに流行語の呼び声高い、主人公・寅子の「はて?」も大きな魅力のひとつと中村氏は分析する。
寅子が疑問に感じたり、納得のいかない事象に対し、「はて?」と言う。伊藤沙莉の独特のハスキーな声での「はて?」はいい。
「寅子の『はて?』というセリフもキャッチーです。“男はこうあるべき、女はこうあるべき“といった、それまで当たり前のように蔓延していたいびつな価値観を、ドラマを見る人も一歩立ち止まって考えさせる効果がある、非常に優秀なセリフだと思います」
好調な「虎に翼」だが、まだまだ始まったばかり。そんな中、第2週から登場した寅子の同級生・山田よねから「目が離せない」と中村氏はいう。
「まだ序盤ではありますが、寅子の同級生・山田よね役の土居志央梨さんが、非常に気になります。男性のように背広にネクタイというファッションに身を包み、クラスの誰とも交わらない一匹狼的なキャラクター。そのクセの強さに、登場した瞬間から釘づけです。
どんなバックグラウンドを持っているのか、ドラマの中でどういう役割を果たし、どんな道を歩んでいくのか非常に楽しみです」