確かに、山田よねは登場からキャラ濃いめだ。そのほか、中村氏があげる注目キャストは2人。
「これから登場してくるキャラクターでは、法曹界の重鎮の父を持つ裁判官・星航一を演じる岡田将生さん、のちに寅子の上司となり家庭裁判所の設立準備にまい進する多岐川幸四郎役の滝藤賢一さんが気になります。二人とも確かな演技力と表現力でさまざまなドラマを支える俳優なので、伊藤沙莉さんとどんな芝居を見せてくれるのか、今から注目しています」
最後に、中村氏に今後の展開で「虎に翼」に期待するところを聞いた。
「この作品は昭和初期を舞台に、男尊女卑の社会や価値観に疑問を投げかけ、立ち向かう寅子の姿を通じて“普通”とは何か、“幸せ”とは何かという、私たち人間にとって根源的な問いを提示しているように思います。なので、フェミニズムの観点で見ることはもちろんですが、思想・良心の自由、言論の自由といった、男女問わず考えるべきテーマ、そして私たち一人一人の生き方にまで思いを馳せることによって、より広がりと深みのあるドラマとして心に刻まれることに期待したいです」
まだ始まったばかりの「虎に翼」。すでに勢いを感じるのは、「はて?」と言い困難に立ち向かう寅子に毎朝元気をもらっているからかもしれない。「はて?」はきっと、翼を与える魔法なのだ。
(AERA dot.編集部・太田裕子)