そのロジックは、簡単にいうと、こうだ。
中国は日本の脆弱なエネルギー供給構造につけ込み、日本のエネルギー市場に影響力を及ぼして間接的に日本を支配下に置こうとしている。そのため、日本の政策立案の段階で、審議会委員や一部の再エネ推進派の政治家を裏で操り再エネ推進の政策を進めている。その行き着く先は、中国製の風力発電機や太陽光パネルが日本市場を席巻し、気づいてみたら中国製品なしに日本のエネルギー市場は立ち行かないという状況を作ることだ。今はその過程にあるので、間違っても、再エネに力を入れるなどということはせず、原発を推進して、中国のエネルギー支配から逃れなければならない。
この理屈には相当無理があるが様々なフェイクニュースを織り交ぜてこうした論理が展開される。すでに日本の風力発電市場では設備のほとんどが中国製だなどという嘘(実際は例えば、再エネ海域利用法で公募された洋上風力発電の落札企業が使う予定の風力発電機には、中国製は1基もなく、GEやベスタスなど欧米勢が席巻している)がまことしやかに伝えられ、知らない人は、「風力を増やすと中国支配になるからやめた方がいい。それよりも原発を伸ばすべきだ」などと勘違いしてしまう。
最近たまたま起きた中国企業のロゴ入り資料が内閣府の有識者会議で民間委員から提出された資料に使われていたという件では、中国政府の陰謀だと騒がれたが、実は、単なる事務的ミスに過ぎないことが証明され、大手メディアはもはや取り上げなくなった。
しかし、上に紹介したよからぬ連中は、まだ諦めず、原子力ムラに恩を売りたい愚かな国会議員を動員して依然として嫌中を悪用した反再エネ・原発推進キャンペーンを続けている。