「株主優待は、定年後の身体の健康維持にも役立ちます!」と話す桐谷広人さん(写真/工藤隆太郎)
「株主優待は、定年後の身体の健康維持にも役立ちます!」と話す桐谷広人さん(写真/工藤隆太郎)
この記事の写真をすべて見る

 8日放送の「月曜から夜ふかし」(日本テレビ・午後9時)は、「日本の大問題 春の全国一斉調査」の春の2時間SPだ。お題のひとつ「「桐谷さんの春の様子をお届けする件」では、桐谷広人さんに密着する。「月曜から夜ふかし」でおなじみの桐谷さんの過去の記事を振り返る。(「AERA dot.」2019年7月14日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)

【写真】日々のレシートを捨てず、熱心に見返す桐谷さん

*  *  *

 テレビや雑誌で大人気の桐谷広人さん。70 歳を迎えた今、株主優待について新たな考えが得られたと言います。現在発売中の週刊朝日MOOK『定年後のお金と暮らし2020』では、桐谷さんに密着取材! 株式投資を始めたきっかけや人間関係に健康など、株主優待によって変わったことや、本当のメリットについて聞きました。

「日常生活において現金で支払うのは、せいぜい光熱費や家賃程度ですね」
 
 株主優待に着目した株式投資の第一人者として、テレビや雑誌などのマスコミで大人気の桐谷広人さんは言います。

「外食はほぼ優待券で支払えますし、映画もタダで見られます。スポーツジムも無料で、いつも使っているリュックサックや服も株主優待でもらったものです。自炊する場合も、米から肉・野菜まで株主優待でまかなえます。オリックスのように、カタログに掲載された全国の名産品の中から好みのものを選べる優待もありますよ」

 桐谷さんが株式投資を始めたのは、プロ棋士として活躍中の1984年。東京証券協和会という団体に頼まれて、将棋部で師範を務めるようになったのがきっかけでした。当時は今の投資スタイルとはまったく異なり、もっぱら値上がり益を追い求めていたといいます。

「バブル相場の入り口だったこともあって、1億円ぐらいは儲かりました。けれど、89年の12月に日経平均株価が大天井を打って急落し、1億円ぐらいの損も被りました」
 
 その後も大儲けしたことがあったものの、ITバブル崩壊やリーマン・ショックなどの急落に巻き込まれ、またしても大損。しかも、2011年2月にトントンまで回復したにもかかわらず、それまでの負けをすべて取り戻そうと思って大勝負。

「ところが、直後の3月11日に東日本大震災が発生し、またしても大損を抱えてしまいました」
 
 桐谷さんが利用していた株の信用取引では、一定額以上に損失が膨らむと、証券会社に追証(追加の証拠金)を支払う必要が生じます。その工面で困窮した生活の救いとなったのが、株主優待でした。

「保有株の優待として贈られてきたお米や食品などの優待品で自炊できましたし、シャツなどの衣料品も優待券で購入できました。移動の手段も優待でもらった自転車で、外食も優待券で済ませられます。こうして生活費がほとんどかからなくて助かったことから、私は優待投資に切り替えることを決心しました」
 

次のページ
配当よりも株主優待の魅力が勝るワケとは?