その日本体育大以上に期待値が高いのが、大東文化大だ。昨年も『全日本』で2位、『富士山』で3位と安定した強さを見せたが、出走全員が3年生以下というメンバー編成だった。2レースともに区間賞の走りを見せたケニア出身の怪物ランナー、サラ・ワンジル(2年)を擁し、2レースでアンカーを務めて好走した上に今年3月の日本学生女子ハーフマラソンで優勝した野田真理耶(2年)もいる。この2人を筆頭に、蔦野萌々香(2年)、吉井優唯(2年)、森彩純(2年)と駅伝経験者が揃う新2年生の世代が実に強力なのだ。主将の四元桃奈(4年)のリーダーシップに加えて、他学年の頑張りがあれば名城大の背中は近くなる。
関西の雄・立命館大も大きな可能性があるチームだ。昨年の『全日本』3位、『富士山』4位のメンバーから小林朝が卒業したが、それ以外のランナーたちは健在であり、2レースとも好走した主将の村松灯(4年)と太田咲雪(2年)は今年も頼れる存在になる。そして何より、新入生への期待値が高い。昨年の高校駅伝で3位となった立命館宇治高から山本釉未(1年)、池田悠音(1年)らが入学。ここに白鵬女子高卒の古田島彩(1年)、銀河学院高卒の森安桃風(1年)ら各校のエースたちも加わった。彼女たちは紛れもなく世代トップランナーであり、一気にチームの選手層が厚くなるとともに、1年目から活躍が期待できる即戦力が加わった。再び覇権を握る準備を整えつつあると言える。
今年も中心は上記4大学になるが、ダークホースとして注目されるのは、やはり拓殖大だ。10000m日本歴代3位のタイムを持つ不破聖衣来(4年)が復活できるかどうか。1年生だった2021年にレースに出る度に“異次元の走り”を披露したニューヒロインだが、その後は疲労蓄積と故障で調子が上がらず、昨年は駅伝2レースとも欠場した。不破が不在の間にチーム力は底上げできたはずだが、昨年は『全日本』12位、『富士山』7位と上位争いには加われなかった。