「満額回答」「過去最高水準」は自分にも?
各企業での結果も、次々と報じられました。
賃上げ率(定期昇給分を含む)は、マツダが6.8%、ホンダが5.6%、すかいらーくHDが6.22%、サントリーHDが約7%、日本製鉄が14.2%などとなり、記事の見出しには「満額回答」「過去最高水準」といった景気の良い言葉も目立ちました。気持ちが明るくなる記事です。
しかし、注意しなければならないのが、春闘のニュースで取り上げられるような会社は、大企業がほとんどだということ。そして日本にある企業のほとんどが、中小企業なのです。
中小企業庁の集計によると、日本にある企業約340万社のなかで、中小企業の占める割合は99.7%。大企業は0.3%しかありません。
さらに、春闘を行う労働組合が、すべての会社にあるわけではなく、労働組合がない中小企業もたくさんあります。
みなさんがお勤めの企業に労働組合はありますか? みなさんは入っていますか?
厚生労働省の昨年12月の発表によると、企業で働く人のなかで労働組合に加入している割合は16.3%で、過去最低でした。
物価も上昇している
春闘の結果として報道されている数字だけを見ても、日本のすべての労働者の賃金が底上げされているとは言い切れないのです。中小企業でどれだけ賃上げができているか、ということにも目を向けていかなければなりません。