一方、佳子さまは2019年3月の国際基督教大学の卒業に際して、結婚観と理想の男性像についての質問に、こう回答している。
「結婚の時期については,遅過ぎずできれば良いと考えております。理想の男性像については,以前もお答えしていますが,一緒にいて落ち着ける方が良いと考えております。
相手がいるかについてですが,このような事柄に関する質問は, 今後も含めお答えするつもりはございません」
愛子さまの「両親」という言葉
そして今回の愛子さまの回答。つげ氏は、こう話す。
「どういう感じで答えられるのかなと思っていたのですが、愛子さまならではの心からの誠意が伝わるものでした」
つげ氏が注目したのは、「両親」という言葉だ。
「入社に際しての文書回答では、公のことを語るときには、父母である天皇陛下と雅子さまを『天皇皇后両陛下』とし、結婚観というプライベートなところでは『両親』と使い分けていらっしゃるんです。そこも愛子さまらしかったです」
文才がある愛子さまだけに、こうした細かい言い回しも、よく考えられたものかもしれない。
そして何より、文書には愛子さまの心の美しさがにじみ出ていたと、つげ氏は話す。
「『両親のようにお互いを思いやれる関係はすてきだなと』という言葉は、実際にそう思って日々を過ごされていることが感じられ、愛子さまのお気持ちが伝わってきましたよね。
また、特定の相手ではなく、出会い全般に関して『心を豊かにしてくれたかけがえのない宝物』と表現されたことに、とても感動しました。すべての出会いが愛子さまを成長させてくれたと素直に感謝していらっしゃる姿勢は、これまでの女性皇族にない捉え方で、愛子さまらしいなと感じました」
細部まで考え抜かれた言葉と、その清々しいほどの誠実さに、愛子さまらしさがにじんでいた。(AERA dot.編集部・太田裕子)