「女性皇族の場合、この機会を逃すと、結婚について次に答えられるのは婚約内定の記者会見までない可能性が高いと思われます。つまり、こういったことを聞ける機会がない中で、なぜ1問だけのご回答になったのか、疑問に感じました」
しかし、愛子さまは日赤入社のタイミングで、再び文書回答を発表された。おそらく保留にしていた質問に回答されたものと思われる。
紀宮さまはユーモアで
「心を動かされる出会いはありましたか」
今回と同じ質問は、過去にも女性皇族に投げかけられている。
「紀宮さま(現在・黒田清子さん)は『心を動かされる出会いはあったかもしれないし、なかったかもしれない』とユーモアを交えはぐらかし、(秋篠宮ご夫妻の次女の)佳子さまは『お答えするつもりはありません』のキッパリ系でした」
1992年3月20日に学習院大学文学部国文学科を卒業された紀宮さまは、卒業式の前日に記者会見を赤坂御所で行った。
「これまでに心を動かされる男性に巡りあったことは。理想の男性像や結婚観は」という問いかけに、「心を動かされる男性につきましては、先輩の言葉に従って、そのようなことはあったかもしれないし、なかったかもしれないとしか今は申し上げられません」と、柔和な笑顔を見せ、記者会見の場を和ませた。
「先輩」とは、紀宮さまの兄である天皇陛下のことだ。
天皇陛下が以前、「この1年間に理想の女性と巡り合われましたか」と質問され、「かもしれませんし、会わないかもしれません」と答えられた。紀宮さまはそのセリフを使って答えたのだ。
現在は、文書での回答が主流となっているが、当時は記者会見で自分の言葉で語られていた。機転の利いた答えに、紀宮さまらしさが伝わってくる。