2017年10月、希望の党の総決起大会であいさつする小池氏

自民も野党も嫌な有権者の受け皿に?

 小池知事は、2016年7月に都知事選で自民党の推薦候補などを破って初当選したあと、勢いに乗って翌年9月に「希望の党」をたちあげ、国政に打って出た過去もある。

 自民党で政務調査役を務めた政治評論家の田村重信氏は、

岸田首相は、東京15区で野党に対峙するには小池知事に頼るしかない。しかし、小池知事の国政進出は非常に怖いところだ。一歩間違えば諸刃の剣。いずれは国政でトップをとりたい小池知事が東京15区の補選を機に、岸田首相にとって代わろうとするかもしれない」

 と話し、こう続ける。

「岸田首相は思い切って処分をしたつもりだろうが、本当は裏金にかかわった議員全員を処分すべきで、世論は厳しい処分だとは見ていない。森喜朗元首相などにも切り込まないと信頼回復は無理だった。だから、小池知事に頼る事態になっている。解散総選挙になれば、自民党は嫌になった、しかし野党にも入れたくないという有権者がかなりいる。小池知事が政治の第一歩を踏み出した日本新党は、自民党を倒して政権交代を果たした。小池知事の得意技の一つがサプライズですし、その流れが再来しかねません」

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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