そこで浮上しているのが、処分を受けた自民議員が党を飛び出し、選挙に強い小池知事にすがって、ファーストの会入りするのではないかという見方だ。
岸田自民では選挙で勝ち目がない
「岸田文雄内閣の支持率はジリ貧で、まったく浮上の兆しがない。いずれ解散総選挙になるが、岸田首相のままでは勝ち目がない議員はかなりいます。とりわけ裏金問題もあって、よけいにきつい選挙になる。それに岸田派も裏金事件で会計責任者が略式命令を受けているのに、岸田首相は処分なし。岸田首相への反発が強い安倍派や二階派の議員で裏金問題がある議員なら、このままでは勝ち目がないので自民党を抜けて小池知事と一緒に走っても不思議じゃない」(二階派の国会議員)
現在、ファーストの会の国会議員はゼロで、乙武氏が当選しても1人だけ。国政政党の要件は、「現職の国会議員が5人以上」、もしくは「直近の衆議院選挙か前回、前々回の参議院選挙のいずれかで2%以上の票を獲得していること」なので、ファーストの会にとっても自民を抜けた議員の参加は歓迎だ。
「乙武氏が当選したら、5人以上の国会議員を集めて国政政党を目指すことになる。他の党からとなれば、小池知事の古巣で政策も近い自民党からこぼれてくる議員をという思いはある」(前出の都民ファースト幹部)
小池知事の任期は今年7月まで。東京15区に出馬しないため、都知事選で3期目を狙うのは確定的とみられる。
自民党は小池知事に大きな“借り”をつくる結果となるので、前々回の都知事選のように対立候補を立てるのは難しい情勢。小池知事は圧倒的有利に選挙戦を展開できる。
「7月の都知事選で圧勝となれば、自民党から小池知事の元へという動きは加速するんじゃないか。裏金議員でも、離党して小池氏の勢いを借りれば、イメージを払拭できるのではないかという計算もあるようだ。小池知事の最終目標は、総理の座でしょうから、まさに東京15区の補選が新たな『小池劇場』の起点になるのではないか」
と、前出の都民ファースト幹部は顔をほころばせる。