「寄付してくださった方と会えたのは、すごくいい機会でした」と廣津留さん(撮影/吉松伸太郎)

Q. ハーバード大は卒業生による寄付金が充実していると聞きました。寄付した卒業生と奨学生が顔を合わせるパーティーもあるそうですが、廣津留さんのときはどんな感じだったのでしょうか?

A. 大学が主催するディナー会がありました。寄付してくださる方と援助を受けている学生たちが夕食を共にします。アメリカでは寄付金がどんなふうに有効活用されたかという報告をするのが一般的なので、お互いに顔を合わせる機会があるのはその一環だと思います。

 ハーバード大の奨学金にはいろいろな形があって、匿名のものもあれば、奨学金名に寄付者の名前が冠されているものもあります。私は後者のタイプを受けたことがあるので、「あしながおじさん」ではないけど、どんな人なんだろうと気になるんですよね。ディナー会でついに対面して「あ、この人だったんだ!」と。直接感謝の気持ちを伝えられましたし、いろいろ話をしてアドバイスをいただくこともでき、もっと頑張ろうと思えましたね。ディナー会の他にも、寄付者宛てにお礼の手紙を書けるように便箋と封筒と寄付者の住所があらかじめ準備されたスタディブレーク(勉強の合間の休憩を兼ねた集まり)などもあり、大学側がさまざまな工夫をしていました。

 そうやって自分を支えてくれている人たちの姿が見えてくると、ありがたみが増すんですよね。寄付者も実際に頑張っている学生たちのことを知ると、これからも続けようって思うから、すごく好循環。大学側も寄付金を募ることに力を入れていて、卒業式の翌日から「いつ寄付しますか?」というメールがくるほどです(笑)。呼びかけ方も上手。日付と目標金額を設定したキャンペーンを打ってきて、「達成まで残り〇〇ドル」「あと△日」なんて内容や、ついには「〇〇ドル集まれば△△さんが2倍の額を寄付するそうです!」というような内容がリマインダーメールで送られてくるんです。そういうメールを見ると、私もお世話になったし、やっぱり少しだけでも寄付しようかなって思っちゃいますね。

構成/岩本恵美 衣装協力/BEAMS

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