藤浪は「頭の回転が速く、努力家」だという。

 一方、藤浪はメッツと1年契約を結んだが、キャンプ中にマイナー降格に。傘下3Aのシラキュースで開幕を迎えることになった。オープン戦の結果を考えれば、妥当と言わざるを得ないだろう。5試合登板で3回2/3を投げ、0勝1敗2ホールド、防御率12.27。今月15日のナショナルズ戦で4四球3暴投と大荒れで、1死も取れず3失点で降板した。21日のタイガース戦でも1回を1安打1失点とピリッとしない。2三振だが奪ったが、右打者の背後を通過する大暴投で三塁走者の生還を許す場面が。米国の通信員は藤浪の置かれた現状について、こう指摘する。

「ストライクを取るので精一杯で、打者と勝負する段階までいっていない。メッツの救援陣は脆弱です。故障者が出たり、結果が出ない投手が相次いだりしたら早期のメジャー昇格の可能性がありますが、オープン戦の投球を見ると活躍できるかは不透明です。常時150キロ中盤の直球、カットボールはストライクゾーンに集まれば十分に通用しますが、制球できてこその話です。焦らずにきっちりフォームを固めてから、メジャーに昇格したほうが藤浪にとっていいと思います」

立場が厳しくなる

 メッツと年俸335万ドル(約5億円)プラス最大85万ドルのインセンティブで1年契約を結んでおり、貴重なリリーバーとして球団の期待は大きい。メジャー40人枠からすぐに外されることは考えにくいが、マイナーの実戦登板で結果を残さなければ立場が厳しくなることは間違いない。

「メジャーで今年結果を出せなければ、日本球界復帰の話題が出てくるでしょう。もちろん、本人は米国で1年でも長くプレーしたい気持ちがあると思いますが、来年もメジャー契約を勝ち取れる保証はない。マイナー契約でメジャー昇格を勝ち取るには、心身共にタフでなければいけないし、覚悟が必要です」(前出の米国通信員)

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