優勝するチームは、苦手球団を作らないことが重要だ。中日のポイントになるのがDeNA戦だ。昨年は8勝16敗1分と大きく負け越し。22年も6勝18敗1分とカモにされている。投手陣が序盤からDeNA打線に打ち込まれるケースが目立ち、試合の主導権を奪われる展開が目立つ。今年はオープン戦打率.434で首位打者に輝いた新人の度会隆輝が1番に入り、さらに強力な打線になっている。度会は中日もドラフト1位で指名したが、抽選で縁がなかった。立浪監督が認める非凡な打撃センスを持つ度会を抑えられるか。鬼門となっているDeNA戦の対戦成績が、チームの命運を大きく左右することになりそうだ。
ヒリヒリするような接戦
落合博満元監督が黄金時代を築いた04~11年は、決して打線が強力だったわけではない。守り勝つ野球を提唱し、ロースコアで白星を積み重ねる。1-0、3-2、2-1……ヒリヒリするような接戦が続いたが、相手チームからすれば「あと1点」の本塁が遠く感じた。落合元監督が退任後はBクラスのシーズンが続いているが、今年のオープン戦では中日本来のしぶとい野球が垣間見えた。
オープン戦20試合で50得点は12球団中9位タイ。チーム防御率1.97は12球団トップだった。3月15日以降、1分けを挟み6連勝を飾ったが、5得点以上奪った試合は1試合もない。小刻みに点を重ねて試合の主導権を握り、自慢の投手陣と強固な守備陣で失点を許さない。5試合が1点差ゲームと接戦に強かった。