故障明けの大野雄大

 高橋宏は昨年WBC制覇した侍ジャパンにメンバー史上最年少で選出。シーズンは25試合登板で7勝11敗、防御率2.53だった。エース格として期待された今年だったが、投球フォームのバランスを崩して制球のばらつきが目立ち、開幕2軍スタートに。スポーツ紙記者は「優勝するチームにはスーパーエースがいる。山本由伸が象徴的な存在です。19、20年と2年連続最下位に低迷していたが、21年以降に山本が投手タイトルを独占する大活躍を続け、リーグ3連覇を達成した。15、16勝を挙げて貯金を10以上作る投手が1人いれば、チーム全体の成績がガラッと変わる。他の投手も刺激を受けて能力が引き上げられますしね。高橋宏は球界のエースになる逸材です。10勝して満足できる投手ではない、早期に1軍復帰して圧倒的な成績を残してほしいですね」と期待を込める。

成長の跡を見せた

 投手転向3年目の根尾も開幕2軍スタートとなった。今年は春季キャンプから順調な仕上がりを見せ、実戦で好投を続けていた。オープン戦は3試合登板で防御率3.86。大崩れすることなく成長の跡を見せた。惜しくも開幕1軍の切符は勝ち取れなかったが、1軍で登板機会の可能性は十分にある。前出の名古屋テレビ局関係者は、根尾を「V奪回の救世主」に挙げる。

「根尾の人気は別格です。球場で名前がコールされるだけで大歓声が上がりますから。中日ファンだけでなく、他球団ファンも盛り上がる。影響力が強い選手が活躍すると、メディアに大きく取り上げられるので盛り上がる。昨年の阪神が村上頌樹、大竹耕太郎の活躍で首位を独走したように、新たな戦力が大ブレークすることが優勝を狙う上でポイントになる。根尾が2ケタ勝利を挙げる活躍を見せれば、頂点に届きます」

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