松下洸平さんとコウケンテツさん(撮影/写真映像部・東川哲也)
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 松下洸平さんがホストを務めるAERAの対談連載「じゅうにんといろ」、22人目のゲストは料理研究家・コウケンテツさん。初めて買った料理本がコウさんの本だったという松下さん。以来、憧れ続けたコウさんと感激の初対面です。AERA2024年4月1日号より。

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松下洸平(以下、松下):はじめまして。どうぞよろしくお願いいたします!

コウケンテツ(以下、コウ):こちらこそ、よろしくお願いします!

松下:「じゅうにんといろ」は2022年夏にスタートし、ゲストには作品でご一緒した共演者やミュージシャン、はじめましての方にもお越しいただきました。普段はお会いできないような方とご一緒できるチャンスということもあり、コウさんのお名前は早い段階から挙げさせていただいていたので、実現してうれしいです。

コウ:僕もうれしいです。連載を読ませていただいたのですが、そうそうたる顔ぶれですね。そんな中で、僕にオファーが来て、とても驚きました。

松下:いつかお会いしたいと思っていました。

 僕は21歳の頃に1人暮らしを始めるまでは、ほとんど料理をしたことがありませんでした。たまに親の手伝いで野菜を切るくらいで、フライパンで何かを炒めるようなことはなかったんです。でも、1人暮らしを始めた時、生きていくためにはご飯を食べなければいけないという思いと、6畳一間の小さなアパートでしたが、自分だけのキッチンがあることがうれしくて、料理をしてみるのもいいかもしれない、と思い立って本屋に行きました。そこで初めて僕が買ったのが『コウケンテツの“僕流”家ごはん─肉と魚介の献立&おもてなし─』(オレンジページ)でした。

コウ:えええ!! 担当の方が聞いたら泣いて喜びますよ。その本は、僕がこの道に入るきっかけをくださった方と一緒に作ったもので、とても思い出深い一冊なんです。

松下:そうなんですね! 僕がコウさんの本を手に取ったのは、本の表紙のラフなビジュアルにめちゃくちゃ惹かれたからです。髪をツンツン系にしてTシャツを着たコウさんが、リラックスした感じで笑ってらっしゃって。その姿がめっちゃカッコよくて、男性がこうやって肩ひじ張らない感じでご飯作るんだな、と。インタビューなどからは、優しいお人柄を感じていましたし、いつか料理への想いをお聞きしたいなと思っていました。僕のように、コウさんの存在がきっかけで料理をするようになった男性は多いと思います。

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古田真梨子

古田真梨子

AERA記者。朝日新聞社入社後、福島→横浜→東京社会部→週刊朝日編集部を経て現職。 途中、休職して南インド・ベンガル―ルに渡り、家族とともに3年半を過ごしました。 京都出身。中高保健体育教員免許。2児の子育て中。

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