飲食業でもそうです。飲食業の成否は、料理の味や接客サービスの質などで決まります。ただ一方で、どんな内装や外装のお店なのか、またどこに立地しているのかで勝負がついている場合も少なくありません。

 日々の事業活動と投資のどちらが大切なのかは簡単には言えません。ただ、日々の事業活動と投資の間には大きな違いがあります。それは、投資は一度意思決定をすると途中で方向性を簡単に変えられないということです。日々の事業活動は「とにかくやってみよう。ダメなら変えればいいじゃないか」ということで進めることができますが、投資は「とにかくやってみよう」では済まされない結果を招く恐れがあります。ですから、ビジネスにおける「投資」は慎重に行う必要があるのです。

投資評価は利益ではなくキャッシュフローで考える

 この慎重に行わなければならない投資は、どのように考えていけばよいのでしょうか。大きな投資をして大きなリターンが期待できるものと、小さな投資をして小さなリターンしか期待できないものがあります。同じ投資をしても、短期間のうちに大きなリターンが期待できるものもあれば、小さなリターンが長く継続するものもあります。はたまた、同じ投資といっても、工場に投資してリターンを期待する場合もあるでしょうし、株式などの金融商品に投資してリターンを期待する場合もあるでしょう。これら種類の異なるさまざまな投資案件を、どのように評価していけばよいのでしょうか。

 ここでも、すべての投資案件を貨幣価値を伴う数字にして評価していきます。数字を使うことで数学モデルが使え、実際の投資を行わなくても将来のことをシミュレーションすることができます。

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「部門別原価計算」とは