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企業の「売上」と「利益」は当然、重要なものだ。しかし、それ以上に大切なものがあるというのは、米国クレアモント大学ピーター・ドラッカー経営大学院でMBAを取得し、経営コンサルタントとして活躍する國貞克則氏だ。そして、そこにサラリーマンと経営者の視座の違いが表れるという。「投資」と「リターン」の考え方について、朝日新書『財務3表一体理解法 「管理会計」編』から一部を抜粋、再編集して解説する。

【図】「現在価値の計算」とは何か

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「売上」と「利益」より大切なもの

 ビジネスを行う人にとって「売上」と「利益」は大切ですが、それよりもっと大切なのは「投資」と「リターン」という考え方です。企業における担当者と経営者の視座の違いの一つは、担当者がビジネスを「売上」と「利益」で見ているのに対して、経営者はビジネスを「投資」と「リターン」で見ていることでしょう。つまり、経営者はPLとBSを同時に見ているということです。

「売上」と「利益」というのは、事業全体のプロセスである【お金を集める】→【投資する】→【利益をあげる】 という活動のほんの一部でしかありません。もちろん、売上を増やす工夫や費用を減らす努力はとても大切です。しかし、ビジネスは「投資」と「リターン」で成否が決定するという面もあります。

 私はサラリーマン時代、鉄鋼会社で働いていました。日本の鉄鋼会社における生産性や品質をあげる工夫や努力は、世界の製造業の中でもトップレベルだと思います。しかし、鉄鋼事業の生産性や品質は、どのような設備レイアウトでどのような装置を導入しているかによって決定してしまう側面があります。

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「製品別原価計算」の方法論