
今季の大谷には走塁面にも期待がかかる。キャンプでは積極的に走塁改革を試みていた。ドジャースのチームカラーもそれを後押しする。
「ドジャースは近年は長打力を発揮する攻撃スタイルですが、古く1960年代には機動力野球で一世を風靡した球団なんです。大谷選手の走塁、盗塁の活躍の機会も増えるでしょう。キャンプでも盗塁の成功率を80%以上に上げるための技術向上に取り組んでいました。自身初の30盗塁は目指していると思います」(福島さん)
結婚後に成績アップ
ドジャースはここ11年間で10度の地区優勝を果たしながら、ワールドチャンピオンに輝いたのは20年のみ。総合力の高い大谷の加入は、真の常勝軍団になるための最後のピースなのかもしれない。打者・大谷はそれだけ規格外だ。
「投手と打者、どちらが優れているのかとよく聞かれます。大谷選手はもちろん投手としても超一流なのは間違いないですが、例えばロッテの佐々木朗希選手など、似通ったクラスの選手は実際に出てきている。一方で打者として同じような選手が出てくるのかと考えると想像しづらいです」(川村准教授)
そして、大リーグには今季の大谷のさらなる飛躍を約束するかのような傾向もある。
「昔から大リーグでは結婚した選手の成績がアップすることが多く、常識となっているんです。近年の例で言えば、ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手は結婚翌年のシーズンにリーグ新記録の62本塁打を放ちました。歴史的な記録が出てもおかしくありません」(福島さん)
歴史的な活躍を続けながらなお、見る者の常識を塗り替えてきた大谷。今季はどんな驚きを提供してくれるだろうか。(編集部・秦正理)
※AERA 2024年4月1日号